台風のあと、傾いた木・折れた枝は
まず何をするか
朝いちばんの4手順
| 順番 | やること | 連絡先 |
|---|---|---|
| 1 | 電線を確認する。木が電線に触れている/電線が垂れている/停電しているなら、近づかない | 東京電力パワーグリッド 0120-995-007(24時間) |
| 2 | 写真を撮る。倒れた木・折れた枝・壊れた場所を、片付ける前に全体と近くから | — |
| 3 | 保険会社に電話する。自宅の建物・塀・カーポートの被害は火災保険の「風災」 | 加入している保険会社の事故受付 |
| 4 | 業者に連絡する。傾いた木・かかり木・幹の太い倒木は自分で触らない | 伐採・撤去の業者 |
道路をふさいでいる場合
自分の敷地から道路に倒れた木は、道路の管理者によって連絡先が変わります。秦野市の「災害時等緊急連絡先一覧」に載っている番号はこうです。
| 道路 | 連絡先 |
|---|---|
| 市道 | 秦野市役所(代表)0463-82-5111(建設部道路管理課) |
| 県道 | 神奈川県 平塚土木事務所 0463-45-3150 |
| 電線・電柱にかかっている | 東京電力パワーグリッド 0120-995-007 |
| 人がけがをした・火が出た | 119(秦野市消防本部 0463-63-0119) |
道路に出た木は、通行の妨げになっていれば管理者が緊急で撤去することがありますが、木の処分費や、道路施設を壊した場合の修理は所有者の話になります。放置していた木ほど、この負担は重くなります。
「傾いたけど倒れていない木」が、いちばん危ない
台風のあとに多いのは、完全に倒れた木より、傾いたまま止まっている木と、隣の木に引っかかった木です。
幹や枝に力がかかっていて、切った瞬間に跳ねる・回転する・根元が持ち上がる、が起きます。隣の木に引っかかった「かかり木」は、林業の安全指針で最も危険な作業の一つとされ、かかられている木を切る/押し倒す/元玉切り/かかられている木の枝を切る/担ぐ/そのまま放置するの6つが禁止されています。→ 庭木は自分で切れるか
次の雨や風で倒れる可能性が高いからです。台風のあとは業者も混みますが、「今にも倒れそう」と「折れた枝を片付けたい」では対応の順番が変わります。傾き・根元の土の盛り上がり・幹の割れがあれば、写真と一緒に伝えてください。→ 危険な木の見分け方
保険と責任の話:「台風だから」で終わる場合と、終わらない場合
ここがいちばん誤解の多いところです。
| 状況 | 基本の考え方 |
|---|---|
| 自分の家の屋根・塀・カーポートが壊れた | 自分の火災保険の「風災」。損害保険会社の案内でも、台風で木が倒れて壊れた場合は風災として補償対象 |
| 隣の木が倒れてきて、自分の家が壊れた | まず自分の火災保険(風災)。隣への請求は、木の管理に瑕疵があった場合に限られる |
| 自分の木が倒れて、隣の家を壊した | 自然災害が原因なら「不可抗力」として法律上の賠償責任を負わない可能性が高い(損害保険会社の案内)。ただし賠償責任を負った場合は個人賠償責任特約の対象 |
民法717条は、土地の工作物や竹木の管理に瑕疵があった場合に所有者などの責任を定めています。根元にキノコが生えて傾いていた木を何年も放置し、近所から言われていたのに手を打たなかった。こういう場合、台風は「きっかけ」と判断され得ます。実際に、風速35.5mの台風でも不可抗力が認められなかった裁判例があります。→ 倒木の責任と裁判例
台風のあとは業者も混みます。「傾いている」「隣の木に引っかかっている」「電線の近く」の3つは優先度が高いので、写真と一緒に伝えてください。見積もりは無料です。倒れきってからより、いま動くほうが費用も責任も軽く済みます。
無料で伐採の見積を依頼する1本5,000円〜・見積後の追加料金なし秦野市の補助金(上限10万円)の対象確認は → 補助金ページへ
片付けと処分
折れた枝を自分で片付ける場合、秦野市のせん定枝(草木類)の基準はこうです。
・長さ 80cm以下
・1束の直径 50cm以内
太さ10cmを超える幹は、この方法では出せません。台風のあとは量も増えるので、伐採・撤去の業者に処分まで含めて頼むか、処理業者への自己搬入(有料)になります。環境資源対策課 0463-82-4401。
集積所には一度に多量のごみを出せません。ご近所も同じ状況なので、台風のあとほど集積所があふれます。
森林法の届出は必要か
庭の木(森林でない土地)は対象外です。山林や屋敷林など森林の木を伐採する場合は、原則として伐採の90〜30日前までに市への届出が必要ですが、令和8年4月1日からは、道路や住宅から25m以内にあり、面積50㎡未満または10本未満で、所有者の同意があるごく小規模な危険木の伐採は届出不要になっています。台風で傾いた木の多くはここに当てはまりますが、判断は森林ふれあい課(0463-82-9631)へ確認してください。→ 伐採届の話
台風のあとにやってしまいがちな3つ
- 先に片付けて、あとで保険会社に電話する──被害の証拠がなくなります。写真が先です
- 傾いた木を「今のうちに」自分で切る──力のかかった木は、切った瞬間に動きます
- 隣に「お宅の木のせいだ」と先に言う──自然災害は不可抗力が原則。先に保険と写真、話はそれからです
よくある質問
台風で庭の木が倒れて、隣の家の屋根を壊しました。自分が払うのですか?
逆に、隣の木が倒れてきて自分の家が壊れました。誰に請求しますか?
傾いた木が、まだ倒れきっていません。自分で切ってもいいですか?
折れた枝や倒れた木は、ごみに出せますか?
台風のあとに切る場合、森林法の届出は必要ですか?
あわせて読みたい
根拠:秦野市「災害時等緊急連絡先一覧」(秦野市役所 代表0463-82-5111/秦野市消防本部 0463-63-0119/東京電力 停電情報等 0120-995-007/平塚土木事務所 0463-45-3150/秦野警察署 0463-83-0110)/東京電力パワーグリッド(0120-995-007・停電等は24時間受付)/損害保険会社の火災保険Q&A(台風で隣の木が倒れて自宅が壊れた場合は「風災」として補償対象/自然災害が原因の場合は不可抗力として法律上の損害賠償責任を負わない可能性が高く、負った場合は個人賠償責任特約の対象)/民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)/林業・木材製造業労働災害防止協会「かかり木処理作業の安全」(禁止事項6項目)/秦野市「資源とごみの分け方・出し方 品目リスト」(せん定枝:太さ10cm以下・長さ80cm以下・1束の直径50cm以内/環境資源対策課 0463-82-4401)/森林法第10条の8(伐採及び伐採後の造林の届出/令和8年4月1日施行の小規模危険木の届出不要/秦野市 森林ふれあい課 0463-82-9631)