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隣から「落ち葉」の苦情が来たら
― 法律より先に、枝を詰める話

最終更新:2026年9月6日 / 運営:ミチアカリ制作所
秋になると、この相談が増えます。「隣の家から落ち葉のことで言われた」。法律の答えは意外とはっきりしていて、落ち葉の賠償が認められることはあまりありません。でも、それで安心して何もしないと、関係のほうが先に壊れます。ここでは法律がどう見ているかと、実際にどう動くのが安上がりかを分けて整理します。

法律は、落ち葉をこう見ています

まず、落ち葉は民法233条の「越境した枝」ではありません

法律の扱い
隣から伸びてきた枝民法233条。所有者に切除を求められる。2023年の改正で条件を満たせば自分で切れる → 越境した枝の話
隣から伸びてきた根民法233条。自分で切り取れる
落ち葉233条の対象外。「受忍限度」の問題として扱われる
受忍限度とは。

お互いに、どこまで我慢するのが社会的に見て妥当か——を裁判所が中立の立場で判断する枠組みです。

落ち葉は、木がある以上どこの家でも起きます。そのため実務では、清掃代や損害賠償の請求が認められることは多くありません。国が管理する河川堤防の落ち葉をめぐる訴訟では、落ち葉の堆積は受忍限度内として住民側の敗訴が確定しています。

つまり、「掃除代を払え」と言われても、法律上は払う義務があるとは限らない。ここまでが法律の話です。

それでも、動いたほうがいい理由

ここからが本題です。

「払う義務がない」と「何もしなくていい」は、別です。

落ち葉の苦情を無視すると、隣人関係は確実に悪化します。そして庭木のトラブルは、落ち葉で始まって、倒木で終わることがあります。

倒木で隣家に被害が出たとき、裁判所が見るのは「事前に危険を知り得たか」です。近隣から指摘を受けていたのに放置した、というのは最も不利な形になります。→ 倒木事故の責任と裁判例

だから、苦情は内容をよく読んでください。

「落ち葉が多い」だけなら、受忍限度の話です。
でもその中に「枝が屋根にかかっている」「木が傾いている」「枯れ枝が落ちてきた」が混ざっていたら、それは危険の通知です。記録に残る形で届いた瞬間から、責任の時計が動き始めます。

実際にやること:枝を詰める・高さを下げる・切る

落ち葉の量は、枝の量と高さで決まります。対応は3段階です。

対応向いている場合
強めの剪定(枝を詰める)木は残したい。隣側に張り出した枝を減らす
高さを下げる(芯止め)大きくなりすぎた。落ち葉が広範囲に飛ぶ
伐採毎年の手間が限界。傾き・枯れ・腐りがある

そして時期です。落葉が始まる秋から冬は剪定・伐採の適期に入ります。葉が落ちて枝の状態が見やすく、木の負担も小さい。苦情が来る時期と、作業に向いた時期はほぼ重なっています。「来年考える」ではなく、その秋のうちに見積を取るのが、いちばんこじれない進め方です。

隣側に張り出した枝は、隣の敷地に入って切ることになります。作業の前に一言伝えておいてください。「落ち葉の件、枝を詰めることにしました」——この一言があるかないかで、関係の残り方が変わります。

自分の家も、落ち葉で傷んでいます

隣の話ばかりしましたが、落ち葉は自分の家にも効いています。

年に一度、落葉が終わったあとに雨どいを見る。それだけで防げる修理があります。木を詰めれば、この手間ごと減ります。

落ち葉の苦情が来た秋に、そのまま見積を取る

「枝を詰めるか、高さを下げるか、切るか」は、木を見ないと判断できません。見積は無料なので、判断材料として使ってください。秋〜冬は適期なので、依頼が重なる前に動くと日程も取りやすいです。

無料で伐採の見積を依頼する1本5,000円〜・見積後の追加料金なし

秦野市の補助金(上限10万円)の対象確認は → 補助金ページへ

切ったあとの処分(秦野市)

秦野市のせん定枝(草木類)の基準

・1本の太さ 10センチ以下
・長さ 80センチ以下
・1束の直径 50センチ以内

太さ10センチを超える幹はこの方法では出せません。集積所には一度に多量のごみを出せないため、量が多い場合は草木類の処理業者への自己搬入(有料)などの対応になります。環境資源対策課 0463-82-4401。

業者に頼んだ場合、処分費は見積に含まれているのが普通です。自分で切ると、この処分が丸ごと自分に残ります。

逆に、自分が苦情を言う側なら

順番があります。

  1. まず口頭で伝える──いきなり書面は、こじれます
  2. 枝が越境しているなら、枝の話にする──落ち葉より法的な根拠がはっきりしています → 民法233条の3要件
  3. 危険があるなら、危険の話にする──傾き・枯れ・キノコ。写真を撮り、書面で伝える。これが後の全てを決めます → 危険な木の見分け方
  4. 落ち葉だけなら、法的手段は弱い──受忍限度の壁があります。関係を保ったまま、剪定を「お願い」する形が現実的です

よくある質問

隣から「落ち葉の掃除代を払え」と言われました。払う義務はありますか?
法律上は、落ち葉の飛来は「受忍限度」の問題として扱われます。つまり、お互いにどこまで我慢するのが社会的に妥当かを裁判所が判断する枠組みで、実務では清掃代や損害賠償が認められることは多くありません。国が管理する河川堤防の落ち葉をめぐる訴訟では、落ち葉の堆積は受忍限度内として住民側の敗訴が確定しています。ただし「払う義務がないから何もしない」を選ぶと、隣人関係は確実に悪化します。枝を詰める・高さを下げるなど、目に見える対応をしたほうが結果的に安上がりです。
落ち葉は「越境した枝」として切らせることができますか?
できません。民法233条が対象にしているのは、隣地から伸びてきた枝と根です。枝が越境していれば所有者に切除を求められ、2023年の改正で条件を満たせば自分で切ることもできるようになりましたが、落ち葉そのものはこの条文の対象ではありません。枝が越境しているなら枝の話として、落ち葉だけなら受忍限度の話として、切り分けて考えてください。
落ち葉の苦情を放置すると、あとで不利になりますか?
落ち葉の苦情そのものは、倒木の責任に直結するものではありません。ただし、苦情の中に「枝が屋根にかかっている」「木が傾いている」「枯れている」といった指摘が含まれていた場合は別です。倒木で被害が出たとき、裁判所は「事前に危険を知り得たか」を見ます。近隣から指摘を受けていたのに放置した、というのは最も不利な形です。苦情は、内容をよく読んでください。
いつ剪定・伐採すればいいですか?
落葉が始まる秋から冬にかけては、剪定・伐採の適期に入ります。葉が落ちて枝の状態が見やすく、木の負担も小さい時期です。落ち葉の苦情が来る時期と、作業に向いた時期はほぼ重なります。「来年考える」と先送りせず、苦情が来たその秋のうちに見積を取るのが、いちばん話がこじれない進め方です。
切った枝や落ち葉は、秦野市のごみに出せますか?
秦野市では、せん定枝は草木類として「1本の太さ10センチ以下、長さ80センチ以下、1束の直径50センチ以内」で出すことになっています。太さ10センチを超える幹はこの方法では出せません。また集積所には一度に多量のごみを出せないため、量が多い場合は草木類の処理業者への自己搬入(有料)などの対応になります。詳しくは環境資源対策課(0463-82-4401)へご確認ください。業者に剪定・伐採を頼んだ場合、処分費は見積に含まれているのが普通です。

あわせて読みたい

越境した枝は切っていい?
2023年民法改正の3要件。
倒木事故の責任
「指摘されていたのに放置」が最悪の形。
伐採費用の相場
剪定と伐採の費用感。

根拠:民法233条(竹木の枝の切除及び根の切取り・2023年4月施行の改正)/弁護士ドットコム「裏の空き地の木から、自宅に大量の落ち葉…土地所有者に清掃代を請求できる?」(受忍限度論/国管理河川の堤防の落ち葉訴訟は住民敗訴が確定)/民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)/秦野市「資源とごみの分け方・出し方 品目リスト」(せん定枝:太さ10cm以下・長さ80cm以下・1束の直径50cm以内)/秦野市 環境資源対策課 0463-82-4401

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